新しい命、過ぎ去る命   

2006年 12月 14日
はじめに。
このトピックは人によってはショックの大きい内容かもしれません。とてもプライベートな内容だし、いつもに増してやたら文章長いし(汗)、それでも構わないという方にのみ、読んでいただけたら嬉しいです。


12年前、私が上京した年の1994年のこと。
実家でネコを飼うことになったと知らせが届いた。写真を見た途端に私はそのネコにひとめぼれのめろめろ。たまらなく、カワイイっ!カワイイっ!かわいすぎっ(●′艸`●)♥♥♥
私の父は、化け猫の映画を観てトラウマになってるとかワケのわからない理由で、ネコを毛嫌いしている人だった。なのに母と姉が何の相談もなく勝手にネコをもらってきたので、父は怒りまくって、その日は部屋に閉じこもりっきりだったそうだ。が、ネコのあまりのかわいさに、意地も張り通せなかったらしい(笑)。父は夜中にこっそり出てきて、ネコを手のひらに乗せてみた。その時から、こともあろうかネコは大の父親っ子になってしまった...(つд-。) おかげで父以外の人とは一緒に寝てくれない子になってしまった(T^T)
父もすぐにネコに心を奪われてしまい、そのネコはサスケと名づけられた。
その年の夏休み、帰省して初めて出会ったサスケは、想像以上にラブリ~でめんこくって、まだちっちゃくてやんちゃ盛りでピョンピョン跳びはねていて、かくれんぼや鬼ごっこが大好きな子で、サスケがやることなすこと、すべてが、たまらなく、このうえなく、愛くるしかった+゚*。:゚+(*´∀`)+゚:。*゚+. (親バカ炸裂


それから6年後の2000年。今度は姉夫婦が知り合いから仔ネコをもらい、飼うことになったと知らせが届いた。写真を見る限り、白いフワフワの子で歌舞伎みたいな顔(?)してて、かわいいとは思えない子だった(-ω-;)
今でこそどんな子にもトロケてしまうけど、その頃はまだ母性本能が開花していなかったのか、サスケ以外の子やサスケに似ても似つかない子は、お世辞でしかカワイイと言えなかった(汗)。

姉夫婦は、結婚して4年間、子どものいない夫婦だった。そんな時に、こんな夢をみた。姉のネコがいなくなったと言うので、家族全員で血相変えて町中を歩き回って探し、とうとう、姉が見つけてきた。けれど、姉が大切そうに抱っこしていたのは、ネコじゃなくて、人間の赤ちゃんだった。それを見ても特に不思議にも思わず、良かった、良かったと、涙を流してみんなで祝福した。
そんな夢を見てから1週間もたたないうちに、姉から妊娠したと連絡が入った。ネコが赤ちゃんを連れてきてくれたのだろうか、と思った。あの白いネコは、天使なのかもしれない。かわいくないけど(爆)。
そのネコはももと名づけられた。

その頃、私はまだ東京で派遣の仕事をしていて、ちょうど契約期間が切れようとしていた。
そんな時に、何の因果か思いがけないトラブルに巻き込まれてしまい、安全のためにしばらく身を隠した方がいいような状況に陥ってしまった(怖)。
仕事も一段落つくし、この機会に1ヶ月間だけ、カナダのトロントに語学留学をすることにした。
トロントはカナダでは大きな都市なのに、人口密度が薄くて高い建物も少なくて空が広くて、穏やかで緑豊かな町だった。それから間もなくトロントは一斉に紅葉シーズンを迎えた。住宅街の道端には、これでもかというほど街路樹が立ち並んでいて、木々が鮮やかに黄色く色づき、石畳の舗道が大量の落ち葉で埋め尽くされていた。そんな町並みはすばらしく美しくて、人々の心には、大きなゆとりがあった。オープンでほがらかで、誰もがカナダに暮らすことを誇りに抱いているようにみえた。

あっという間に1ヶ月が過ぎて、また東京に戻ってきた。東京は汚くて臭くてゴミゴミしていて心に余裕を失った人だらけで、こんなところに植えられた街路樹が、とても不憫に思えた。
丸の内線に揺られてボーッとしていたら、東京で暮らすことしか頭になかった私が、突然、北海道に帰るという選択肢もあることに、気がついた。もう少しで姉に赤ちゃんが生まれる。しかも、大好きなサスケと、一緒に暮らせる!
そうと決まったら話は早い。仕事も無く身軽だったので、すぐに荷物をまとめて、引き揚げてきた。

実家に帰ってから1週間後の12月4日、姉が女の子を出産した。新しい命の誕生に立ち会って、ただひたすら、涙が止まらなかった。
札幌の姉の家では、3人と1匹での新しい暮らしが始まった。
ところが、ももは姪の面倒を見る姉にヤキモチを焼いて、ベッドやカーペットに、そそうをするようになった。ももってば姪を連れてきてくれた天使のクセに、姪の世話をするわけでもなく(当たり前だ)、かえって迷惑をかけてばかりのオトナゲのない子だった( ̄ー ̄; ま、天使ってのは、純真無垢なだけに、案外そんなものなのかもしれない(笑)。
って、笑ってばかりはいられない。このままでは、姉の負担も大きいし、ももだってかわいそうなので、うちで預かることになった。人見知りのももが、私にはすぐになついてくれた。そうとなれば、たまらなくカワイイ(笑)。この時から、ももとの間に深い絆を感じるようになり、ももは私にとって、かけがえのない存在になった。


それからまた6年が経とうとしていた2006年、今年の夏。なかなか次の子ができずにいた姉が、妊娠した。予定日は来年の3月。
姪は誕生日を迎えて、もう6歳になっていた。
その姪の誕生日から3日後の12月7日、一週間前のこと。突然、サスケが逝ってしまった。嘘みたいに、いきなりのことだった。あまりにも信じがたいせいか、この一週間に起きたことが、遠い昔の出来事みたいだ。

6日の朝、サスケがどうもグッタリしていて様子がおかしかったので、母が病院に連れて行くと、入院することになった。
仕事帰り、サスケに会いに病院へ行くと、サスケはとても悲しそうな目をしていた。それでも、撫でると、気持ちよさそうに、安心したように、目を細めた。がんばってね、そう伝えて、キスしてバイバイしたのが、最後だった。
翌日の10時半ごろ、病院で息を引きとった。心不全だった。

「大切な人が死んでしまったのに、世の中は何も変わらない」
小説とかで、そんな風に、ぼんやり雲なんぞ眺めながら虚無感に浸って嘆くセリフがあったりする。
ま、そりゃそうだ、と思う。だって、生きているからこそ世の中を変えられるわけなのだから、死んでしまったら世の中に何の変化も起こせないのは当然のこと。生きているからこそ、何らかの影響力を及ぼす。あの日以来、サスケが存在することで起きていた変化が、止まってしまった。

出かける時にはトットットットッついてきて外に出せと鼻息を荒げて寡黙に抗議したり、家に帰ってきてドアを開けると暗闇で脱走のチャンスを静かに狙っていたり。イカの珍味の袋をガサゴソ鳴らすとドタドタ猛ダッシュで飛んできたり。
誰かがクシャミをするとナ~ンと鳴きながらその人の足元へ来て座り込む。両親が出かけるとイルカのぬいぐるみをくわえて、いナ~い、いナ~い、家中を探し回る。
そんな日常の変化が、起きなくなってしまった。

大の父親っ子のサスケは、父の後をスタスタついてまわり、父の膝の上でお昼寝し、父と一緒に眠る子だった。
なのに、私からはスタコラ逃げてばかりいた(涙)。いや、私が嫌われてるわけじゃなくて、鬼ごっこして欲しがってるに違いない( ̄ー ̄ふふふ...そう都合よく解釈してサスケを追い掛け回し、部屋の隅に追い込んで捕獲してはぎゅうぎゅう抱きしめ、フカフカのおなかに顔をうずめてキス攻撃をする♥♥♥(だから嫌われる...)
そんなひとときが私にとっては最高に満ち足りたひとときで、サスケにとっては最高に不満が募るひとときで(汗)、私から解放されると、一目散に逃げて悔しそうに階段のふちでガリガリ爪とぎをする。腹いせに、ももにネコパンチすることもあった( ̄∇ ̄;

こんなサスケに、私は12年間も、片思いしつづけた。
でも、最後に、サスケが幸せそうな目で見てくれた時に、12年間の思いが実ったような気がした。たった一瞬のあの表情のおかげで、今は後悔や罪悪感に苛まれずに、過ごしていられる。サスケのことだから、天国に行ったり生まれ変わったりするより、ずっと家で父と一緒に暮らしていたいと思うだろう。だからサスケは、まだ家にいるに違いない。そこにもここにも、ふとした拍子にサスケの存在を感じるもの。これからもずっと、こうして、そばにいてくれるとおもう。だから寂しくない。ただ、サスケの存在を触覚、視覚、嗅覚といった五感では感じとることができなくなってしまった。


来年の3月には、姉が出産を迎える。なかなか子宝に恵まれなかった姉に、今度はサスケが連れてきてくれた命だったのだろうか。そんなことを考えてしまう。
例えそうだとしても、サスケにとっても、ももにとっても、赤ちゃんが天敵であることに変わりない(笑)。
サスケは父が姪を抱っこしていると、これみよがしに不機嫌そうに父にピッタリ寄り添って、父を独占しようとする子だった。ももにとっても、サスケにとっても、赤ちゃんは永遠のライバルなのだ。
春になって、新しい命がやって来ても、サスケが寂しがりませんように。
これからもずっと、サスケが幸せでありますように。
サスケに対する感謝の気持ちが、きちんと伝わっていますように。


あとがき。
もし、これを読んだことで、不必要に悲しませてしまったとしたら、とても申し訳ないです。
大切な家族の死をテーマにブログを書いて、読む方をいたずらに悲しませるだなんて、あまりにもデリカシーに欠ける行為だろうか。しばらく考えたけれど、やっぱり私は、書くことでしか自分の気持ちを整理できないし、バカ正直に生きるのがいちばんラクな生き方だと信じている私には、いつまでもサスケの死を内緒にしておくこともできない。いつか報告しなければならない日が来る。
そう思い、何日もかけて、長々と書き連ねてしまった。おかげで、気持ちの整理がついてきて、何もしていない時でも、ワーワー泣き崩れたり嗚咽したりせずに済むようになった。私はもう平気。だから、サスケを好きでいてくれる皆さんも、どうか悲しまないでください。そして、こんなにも愛おしい命がここに存在していたということが伝えられたとしたら、とても嬉しいです。
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by rainy_day_t_12_35 | 2006-12-14 10:35 | サスケ&もも&仲間たち