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祖母の三回忌(2/2)   

2005年 08月 28日
そんなおばあちゃんだったが、祖父に先立たれてから20数年後、痴呆がひどくなってきた。
上京していた私が東京から引き上げてきた頃には、体もすっかり弱っていて、一人ではもう着替えもおぼつかないほどになった。
ボタンをかけるのも難しい。座った状態もうまく保っていられない。
ある日の夜、おばあちゃんをベッドに座らせ、横に並んで座り、おばあちゃんを抱き抱えた状態でパジャマに着替えさせていた。
その時、ふと、あぁ、おばあちゃんって、今こうしてようやく、子どもの頃に得られなかったスキンシップを取り戻してるのかもしれないと、そんなことを思った。

おばあちゃんは貧しい家の生まれで、物心がつくかつかないかの頃から、親戚をたらい回しにされてきたそうだ。
もしかしたら、幼かった頃に、ぎゅうって抱きしめてくれる人がいなかったから、
そのせいで抱きしめてあげる番になっても、どうすればいいのかわからなかったのかもしれない。

今でもそれを思うと、悲しくなる。
おばあちゃんがかわいそうだから、という理由だけが原因で悲しくなるわけではない。
私が、結局、おばあちゃんに何もしてあげられなかったから、情けなくてしょうがなくて、悲しくなるのだ。
すべきことが何なのか、あの時に気がついたのに、結局、何もできなかった。
おばあちゃん、おばあちゃんって、親しみ込めて微笑みかけて、もっと優しく抱きしめるべきだったのに。
そんな簡単なことが、できなかった。その頃、私の家族は全員、介護疲れで心の余裕を一切、失っていたのだ。

先日、スピリチュアル・カウンセラーの江原啓之さんの番組を見たら、江原さんがこんなことを言っていた。
「大切なことは、いかに真剣に人と向き合うか、ということなんです」と。
ああ、本当だなぁ、って思った。私には真剣さが全然、足りなかったんだ。

ま、後悔してもしょうがない。
おばあちゃんだって、私が自責の念に捉われて未だに泣きじゃくってるのを見たら、不愉快極まりないだろうし(笑)。
それよりも、そういった大切なことを気付かせてくれたおばあちゃんに、感謝すべきなのだとおもう。


おばあちゃんのお葬式が済んだ後に、義兄のお母さんがこんなことを言っていた。
「第一線を退いてから20年も経ったような女の人なのに、こんなに多くの人が来てくれるお葬式なんて、そうそうないことだよ」と。
おばあちゃんのお葬式には200名あまりの方が来てくれたのだ。
そう言われてみれば、私が死んでもこんなにたくさんの人が来てくれるわけがない(笑)。
あーもう、おばあちゃんって、ちっぽけな私から見たら、やっぱりスゴい!
おばあちゃんは、私のちょっとした自慢なんです。
さてと、私はおばあちゃんを悲しませないように、もっと幸せにならなきゃ。
そのためにドロたんは今日も、がんばりまっす☆



といわけで、ブログ開設の初っ端からというか開設を記念してか、もしくはたまたまか気まぐれか、、、
超ヘビ~な投稿をしてしまいました。
めちゃめちゃ長かったけど、読んでくださってありがとうございます。
この先はこんなに重~ったい投稿はしないので、どうかご安心ください(笑)。


そんなわけで、これからもよろしくお願いいたします。m(_ _)m

by rainy_day_t_12_35 | 2005-08-28 00:50 | 雑記